SA8000認証:社会的責任に関する規格

従業員の人権を尊重し、守る仕組みを実践していることを示しましょう。

SA8000規格および認証プログラムは、あらゆる組織や業界が公正で健全な方法で事業を行うための枠組みを提供しています。国際的に認知されたこの規格は、労働者の権利、職場環境、そして効果的なマネジメントシステムの確立または改善に向けた体系的なアプローチを示しています。

SA8000は1997年にSAI(Social Accountability International)によって策定されました。その基盤には、世界人権宣言、ILO(国際労働機関)条約、国際的人権規範、および各国の労働法が据えられています。この規格の中核にあるのは、「すべての職場は基本的人権を尊重し、経営者がその責任を自ら負うべきである」という考え方です。

SA8000とは?

この規格は、企業のパフォーマンスを9つの重要分野で透明性があり、測定・検証可能な要件に基づき実施・認証できるよう定めています:

  • 児童労働: 児童(多くの場合15歳未満)を雇用することを禁止。
    また、この基準の適用により職を失う子どもが出る場合、教育支援のための資金を確保することが求められます。 
  • 強制労働:労働者が身分証明書を取り上げられることや、「保証金」を支払わせることを雇用条件として要求してはなりません。
  • 労働安全衛生:飲料水、トイレ、安全装備、必要な研修などを含む、安全で健康的な職場環境を確保する基本基準を定めています。 
  • 結社の自由および団体交渉権:労働者が報復を恐れずに労働組合を結成・加入し、団体交渉を行う権利を保護します。 
  • 差別禁止:人種、カースト、国籍、宗教、障がい、性別、性的指向、組合加入、政治的信条などに基づく差別を禁止します。
  • 懲戒慣行: 体罰、精神的・肉体的な強制、暴言など、あらゆる虐待的な処罰を禁じています。 
  • 労働時間:週の労働時間は最大48時間、週1日の休日を確保し、残業は週12時間以内とし、割増賃金で支払うことを定めています。 
  • 賃金:賃金は法定最低賃金を満たすだけでなく、労働者が基本的な生活を維持し、ある程度の自由裁量所得を得られる水準でなければなりません。
  • マネジメントシステム:SA8000の遵守を確実にするための管理体制を定義。責任者の任命、記録管理、問題対応、是正措置の実施などが含まれます。 

SA8000認証取得のメリット

SA8000認証を取得することで、以下の効果が期待できます:

  • 継続的改善の文化を育む
  • 労働環境の改善と従業員の福祉向上
  • 生産性の向上、ステークホルダーとの関係強化、市場アクセスの拡大 など
  • 自社およびサプライチェーン全体のパフォーマンスを管理・改善
  • 優れた取り組みを示し、社会的責任を可視化

認証取得に向けた第一歩

SA8000認証を取得するには、まず規格に沿ったマネジメントシステムと実践的な取り組みを導入する必要があります。

Social Accountability Accreditation Services(SAAS)は、認証機関/登録機関を認定しており、DNVもその一つです。DNVは、関連研修から認証取得までの全ステップでサポートします。

認証取得への具体的なステップについて、詳しくはこちらをご覧ください。

 

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