ISO 9001の改訂、最終段階へ

品質マネジメントシステム規格であるISO 9001の改訂作業は、発行に向けて最終段階に入っています。最終国際規格案(FDIS)が、最終投票とコメント受付のため、ISO加盟国の各国代表機関に回付されました。

ISO 9001は、組織が顧客要求事項や法令・規制要求事項を満たす製品・サービスを一貫して提供し、顧客満足の向上を図るための品質マネジメントシステムの国際規格です。国際規格が引き続き妥当性を保つためには、定期的な見直しが欠かせません。

ISO 9001は、業種を問わず品質保証を支える基盤となる規格です。そのため、今回の改訂は非常に重要であり、多くの利害関係者がその動向を注視しています。ますます複雑で変化の速い事業環境において、規格が引き続き実用性を維持するためには、定期的な更新が不可欠です。」

  • Tor Gunnar Tollefsen
  • マネジメントシステム担当グローバルサービスマネージャー
  • DNV

「改訂においては、実務経験や利用者からの意見を反映することが重要です。こうした取り組みにより、規格は、組織がパフォーマンスを改善し、体系的で信頼性の高い方法で価値を提供できるよう、引き続き支援することができます」と同氏は述べています。

改訂規格の変更は中程度

全体として、変更の程度は中程度と見られており、2015年版への改訂に比べると大幅に小さいと考えられます。そのため、既にISO 9001:2015の認証を取得している組織が、移行上において、大きな課題に直面する可能性は低いと想定されています。

ISO 9001:2026の主な変更点

ISO 9001:2026で見込まれる主な変更点は次のとおりです。

  • 品質文化及び倫理的行動の促進を含め、リーダーシップの責任をより明確に強調
  • リスク及び機会のマネジメントをより明確に区別し、それぞれの箇条とガイダンスを強化
  • 意図した結果の達成を支援するため、品質マネジメントシステムの変更管理に関する要求事項を強化
  • 2024年に追加された気候変動に関する追補を統合
  • 解釈を支援する追加の注記を含め、箇条4~10において重点的な更新と明確化を実施

さらに、利用者が規格の要求事項を理解しやすくするため、附属書Aが大幅に拡充・改善されています。改訂版の最終規格は、2026年9月頃の発行が見込まれています。

移行スケジュール

改訂規格が発行されると、ISO 9001:2015の認証を取得しているすべての組織は、定められた移行期間内に新しい版へ移行する必要があります。国際的な認定機関であるGlobal ACIのドラフト文書によると、移行期間は3年になる見込みです。

早めの準備を推奨

変更は中程度と見込まれるものの、円滑な移行に向けて、組織は早期に準備を開始することが重要です。具体的には、更新された要求事項を把握し、潜在的なギャップを評価するとともに、関係者に必要な情報を共有することが含まれます。

DNVは、ISO 9001:2026への移行に向けて、ウェビナー、研修、移行審査を通じて組織を支援します。改訂規格に沿ったマネジメントシステムへの移行を円滑にすすめられるよう、各段階でサポートします。
関連リンク: ISO 9001、ISO 9001移行研修またはウェビナー(該当するサービスがある場合)

ISO 9001 認証およびトレーニング