ISO 14001(環境マネジメントシステム)の改訂

国際標準化機構(ISO)は、4月15日にISO 14001:2026を発行しました。

本規格は、2024年に公表された気候変動に関する改正を含む、2015年版の規格に代わるものです。

主な変更点  

今回の改訂における基本的な考え方の一つは、主要なテーマに関する既存の要求事項を明確化しつつ、新たな要求事項の追加を抑えることでした。また、ISO のマネジメントシステム規格に共通する最新の「調和させる構造(Harmonized Structure)」との整合性を高めることも目的とされています。

主な変更点には、以下が含まれます(ただし、これらに限定されません):

  •   気候変動に関する改訂(4.1 および 4.2 項):
    2024 年に導入された気候変動に関する追補(ISO 14001:2015/Amd1:2024)が、正式に規格本文へ組み込まれました。
    加えて、天然資源の利用、汚染レベル、生物多様性といったその他の環境側面も、考慮すべき事項として追加されています。
    これらの改訂により、環境への包括的・全体的な視点が維持されています。  
  •   リスク及び機会への取組み(6.1 項):
    既存の要求事項の明確化を目的として、本文の構成が再編されています。6.1.1「一般」に含まれていた内容の大部分が、新設された6.1.4「リスク及び機会」に移され、「取組みの計画策定」は更新されて6.1.5に再採番されています。  
  •   環境側面 (6.1.2項):
    ライフサイクルの視点(ライフサイクル思考)の概念を説明する新たな注記が追加されています。  
  •   変更の計画および管理(新設:6.3 項):
    EMS(環境マネジメントシステム)に関連する変更を体系的かつ組織的に管理するための新しい項が追加されました。 
  •   運用計画および管理(8.1 項):
    運用管理の対象が、従来の「外部委託したプロセス」から「外部から提供されるプロセス、製品及びサービス」へと拡張されています。
  •   改善(10 項):
    条項の統合および再採番が実施されていますが、要求事項の内容は従来と大きく変わっていません。  
  •   付属書A(指針)   条項4〜10の要求事項の解釈を支援するため、付属書Aの指針は大幅に改訂・改善されています。 


また、「調和させる構造(Harmonized Structure)」に合わせるため、いくつかの文章表現の変更が行われています。全体としての改訂内容は比較的穏やかで、2015年版への移行時の変更ほど大規模ではありません。  

移行要件とスケジュール

認定機関の国際的な団体である国際認定フォーラム(IAF)が、ISO 14001:2026への移行に関する要件および移行期間を定めています。移行期間は3年間です。ISO 14001:2015に基づいて発行されたすべての認証は、有効性を維持するために2029年4月30日までに改訂版へ移行する必要があります。

移行に向けた準備  

移行に向けては、できるだけ早期に準備を開始し、マネジメントシステムに必要な変更を適切に組み込む計画を立てることを推奨します。  

移行に向けた推奨ステップ :

  • 改訂版の変更点をできるだけ早く把握する。
  • 組織内の関連担当者が変更点や明確化事項を理解できるよう、適切な教育訓練を実施する。
  • 新たな要求事項やその他の明確化事項に対応するためのギャップを特定し、移行計画を策定する。
  • 必要な取組みを実施し、マネジメントシステムを新たな要求事項に適合させる。

サポート内容  

DNVは、ISO 14001改訂版への移行にあたり、移行の各ステップでサポートします。

主な支援内容:

  • トレーニング
    改訂内容や変更点の詳細、重要なポイントへの対応方法を学び、継続的改善と高パフォーマンスのマネジメントシステムの構築に役立てていただけます。
  • 移行監査:新規格に沿った認証移行をサポートする監査。

DNVは、各ステップにおいて総合的にサポートいたします。