CBAM検証:炭素国境調整メカニズム
CBAMは、特定の輸入品に炭素価格を課すEUの規則です。EU域内の輸入者には、対象製品の内包排出量の報告が義務付けられており、2027年以降は当該排出量に応じたCBAM証書を購入する事が求められます。 EU域外の生産者は直接的な 規制対象ではありませんが、EU域内の顧客に対して信頼性の高い排出量データを提供する必要があります。検証済みデータが提供できない場合、輸入者はデフォルト値を使用しなければならず 、炭素コストが増大するおそれがあります。
CBAMが本格運用段階に移行するのに伴い、排出量データが金銭的負担を直接左右するようになります。実排出量を報告する場合、その内容に対する検証はコンプライアンスを支え、サプライチェーン全体のコスト削減に貢献する重要な要素となります。
実排出量データを報告する輸入者には、認定を受けた第三者機関による検証が義務付けられます。デフォルト値を使用する輸入者は、検証要件は適用されません。
CBAM規則とは
炭素国境調整メカニズム(CBAM)は、カーボンリーケージを防止し、国際貿易をEUの気候目標と整合させるためのEUの戦略における 重要な柱になっています 。 CBAMは当初、以下をはじめとする炭素集約型製品の輸入に適用されます。
- 鉄
- 鉄鋼
- アルミニウム
- セメント
- 肥料
- 電力
- 水素
EU排出量取引制度(EU ETS)に対応する排出コストを輸入品に課すことで、CBAMはEU域内、EU域外双方の生産者間に公平な競争条件を整備します。
CBAM規則の下では、対象製品をEUへ輸出するEU域外の生産者(事業者)には、以下の対応が求められます。
- CBAMの算定方法に基づいて自社製品の内包排出量を算定する
- 内包排出量について第三者検証を受ける(検証機関が事業者の施設を訪問し、検証報告書を作成します)
- CBAM規則の対象となる製品について排出量の算定結果および検証報告書からなるデータを提供する
CBAM検証の価値
独立した第三者による検証を受けることで、実排出量データに基づいたCBAM報告が可能になります。
その結果、以下のメリットが得られます。
- 金銭的負担の低減:2025年12月16日に公表された欧州委員会施行規則およびその附属書で定められたデフォルト値は、意図的に保守的な値に設定されているため 、CBAMコストが大幅に増加する可能性があります。自社の生産プロセスの炭素集約度がデフォルト値より低い場合、検証済みの実排出量データを活用することで、EU域内への輸入者のCBAM関連の負担を大幅に軽減できます。
- 業務効率の向上:実排出量データを報告することで、自社の事業活動をより詳細に把握する事が出来るようになります 。これにより非効率なプロセスの特定や脱炭素化の機会の発見につながり、生産性とコスト効率の向上につながる業務改善を推進できます。
- 信頼性と信用の強化:検証済みの排出量データは、規制遵守とサステナビリティへの強いコミットメントを示します。この透明性により、顧客や投資家をはじめとするステークホルダーからの信頼が高まり、長期的なビジネス関係の構築を後押しします。
- 規制の変化に備えた事業基盤の構築:CBAMに準拠した排出量データの収集・モニタリングおよび集計の仕組みを導入することで、今後のCBAM適用範囲の拡大や、他の市場で導入される同様の炭素国境調整制度の導入にも備えることができます。
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CBAM検証取得の流れ
DNVのCBAM検証サービスは、CBAM対応のあらゆるフェーズにおいて組織を支援します。EUへ製品を輸出するEU域外の生産者の方も、複数のサプライヤーと取引するEU域内の輸入者の方も、規制上の要求事項とベストプラクティスに沿って、内包排出量に関するCBAM要件への適合性を評価いたします。
検証プロセスのご紹介
検証プロセスは、以下のステップで構成されます。
- 戦略的かつリスクベースの評価を実施
- 内包排出量の算定および適用されるモニタリング手順に関する文書をレビュー
- 排出源・排出フローの網羅性、データの正確性とトレーサビリティ、モニタリング方法の適切な運用について現地評価を実施
- 独立したレビューを経て、意見表明を含む検証報告書を発行(この報告書は取引先ととの共有する事ができます)
FAQ
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CBAM(炭素国境調整メカニズム)は、カーボンリーケージを防止するためにEUが導入した環境政策です。鉄、鉄鋼、アルミニウム、セメント、肥料、電力、水素などの炭素集約型製品の輸入に炭素コストを課すもので、EU排出量取引制度(EU ETS)と整合しており、EU域内及び域外の生産者間の公正な競争を確保します。
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CBAM規則は、炭素国境調整メカニズムの実施方法を定めるEUの法的枠組みです。適用範囲や対象製品、報告・遵守義務を規定するとともに、検証機関に認定を付与するための条件等を定めています。