改訂版 ISO 14001 規格の発行が近づいています

環境マネジメントシステム規格ISO 14001の改訂版(ISO 14001:2026)は、現在、改訂プロセスの最終段階に入っています。最終国際規格案(FDIS)が発行され、ISO各国会員団体による最終コメントおよび投票が実施されています。 なお、改訂版ISO 14001は、2026年4月に発行される見込みです。

ISO 14001は、世界で最も広く利用されている環境マネジメントシステム規格の一つであり、世界中の数十万に及ぶ組織が、環境に関する責任の管理や環境パフォーマンスの向上に取り組むうえで活用しています。
国際規格としての有効性と妥当性を維持するため、定期的な見直しが行われています。

DNV マネジメントシステム グローバル・サービス・マネージャーの Tor Gunnar Tollefsenは次のように述べています。

「ISO 14001のような規格は、分野の専門家が関与したうえで、定期的に見直し・改訂されることが極めて重要です。

こうした見直しにより、利用者の経験を踏まえた規格の改善が可能となり、変化する環境課題やサステナビリティの動向に対応するうえで、引き続き有効な規格であり続けることが確保されます。ISO 14001は、体系的な環境マネジメントの構築と環境パフォーマンスの向上を支援するうえで、その価値を実証してきました。だからこそ、私たちは改訂版の発行を心待ちにしています。」

改訂規格における主な変更点

今回の改訂では、新たな要求事項の追加を最小限に抑えつつ、既存の要求事項をより明確にすることが基本方針とされています。また、マネジメントシステム規格に共通する ISOの最新「調和させる構造(Harmonized Structure)」に整合させる改訂も行われています。

全体として、変更の範囲は限定的と見込まれており、ISO 14001:2015の認証をすでに取得している組織にとって、大きな追加対応や多大な導入負担が生じるものではないと考えられています。

ISO 14001:2026の主な改訂ポイント

ISO 14001:2026 における主な変更点は、以下のとおりです:

  • 組織の状況の分析において、気候変動に加え、汚染レベル、生物多様性、天然資源の利用可能性など、より幅広い環境条件への配慮が強化
  • リスクおよび機会を扱うプロセスに関する要求事項の再構成および明確化
  • 変更の計画に関する新たな箇条および要求事項の追加
  • 環境側面の特定プロセスにおけるライフサイクルの視点の重視
  • 運用管理において、「外部委託したプロセス」から、「外部から提供されるプロセス、製品およびサービス」へと適用範囲を拡大

また、各要求事項の理解を支援するため、附属書の内容が複数の箇条にわたり大幅に拡充・改善されています。

移行期間は3年間となる見込み

ISOは、現行のISO 14001:2015に代わる改訂版規格ISO 14001:2026を、2026年4月に発行する予定です。最終国際規格案(FDIS)は、2026年1月5日に発行され、8週間の投票およびコメント期間に入っています。

国際認定フォーラム(IAF)が策定中の必須文書(Mandatory Document:MD)のドラフトによると、ISO 14001:2026への移行期間は3年間となる見込みです。これが正式に確定した場合、ISO 14001:2015に基づいて発行されたすべての認証は、有効性を維持するため、2029年5月までに新規格へ移行することが求められます。

早期の準備を推奨

今回の改訂は変更範囲が限定的と見込まれていますが、円滑な移行を実現するため、早期の準備が推奨されます。改訂された要求事項についてできるだけ早く理解を深め、関係者が変更点を把握するとともに、環境マネジメントシステムにおいて対応が必要となるギャップを特定することが重要です。

DNV では、既存の認証を改訂規格に円滑に整合させるため、トレーニングや移行審査などを通じて、ISO 14001:2026への移行を包括的に支援しています。

ISO 14001 Revision and ISO 14001 Certification