大王製紙のサステナブルファイナンス・フレームワークの評価を実施
DNVは、大王製紙株式会社のサステナブルファイナンス・フレームワークに対して、評価を行いました。
大王製紙株式会社(以下、大王製紙)は、四国紙業株式会社以下14企業が合同し、1943年に設立された総合製紙メーカーであり、「紙・板紙事業」、「ホーム&パーソナルケア事業」、「新素材領域」等を中心に事業活動を展開しています。
大王製紙は、経営理念「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」のもと、ありたい姿として「やさしい未来」を掲げています。経営理念の4つの柱「ものづくりへのこだわり」、「地域社会とのきずな」、「安全で働きがいのある企業風土」、「地球環境への貢献」の体現が、「世界中の人々へやさしい未来をつむぐ」ことにつながっていくとし、SDGsの17のゴールごとに貢献できることを整理し、サステナビリティ経営を推進しています。
大王製紙は、1993年に「DAIO地球環境憲章」を制定して以来、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを継続しており、2021年5月にサステナビリティ戦略である「大王製紙グループ サステナビリティ・ビジョン」を策定し、様々な活動を通じて、SDGs達成への取り組みを推進しています。「地球環境への貢献」としては、①気候変動への対応、②循環型社会の実現、③森林保全と生物多様性の維持をマテリアリティと定めています。
2050年度までにカーボンニュートラルを実現する長期ビジョンを掲げ、2030年度までにScope1+2の化石由来CO₂排出量を2013年度比46%削減、Scope3(カテゴリ1・4)を2022年度比15%削減する中期目標を設定しています。既に石炭ボイラーの段階的停止、省エネルギー化や再生可能エネルギー導入などを進めており、長期的にはCCUSや植林拡大も取り入れる戦略です。
こうした戦略の実行・達成に必要な資金を調達するために、大王製紙は「大王製紙株式会社サステナブルファイナンス・フレームワーク」(以下、本フレームワーク)を策定しました。本フレームワークは、グリーンファイナンス、サステナビリティ・リンク・ファイナンス、トランジションファイナンス及びトランジション・リンク・ファイナンスを包含し、日本政府のNDCや「紙・パルプ分野のトランジション・ロードマップ」と整合する形で設計されています。資金調達を通じてCO₂削減の活動を加速させるとともに、投資家や社会への透明性ある情報発信も実施していきます。
本フレームワークは、下記ファイナンスの実行に必要な要素を含む包括的なフレームワークとして構成されています。
- グリーンファイナンス(ボンド及びローン)
- サステナビリティ・リンク・ファイナンス(ボンド及びローン)
- トランジションファイナンス(ボンド及びローン)
- トランジション・リンク・ファイナンス(ボンド及びローン)
DNVビジネス・アシュアランス・ジャパン株式会社(以下、DNV)は外部レビュー機関として、フレームワークの適格性を評価しました。
なお、本件は紙・パルプ分野における事業会社として初めて、経済産業省のトランジション・ファイナンス補助金対象事業として採択されました。
詳細は、サステナブルファイナンスリスト(評価実績)より、ご覧ください。
関連情報
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