品質および環境マネジメントシステム
ISOの主要なマネジメントシステム規格のうち2つが改訂作業が進められています。改訂版の作成は2023年秋に開始され、品質マネジメントシステム規格であるISO 9001と環境マネジメントシステム規格であるISO 14001の両方について、発行に向けた手続きは2026年に完了する予定です。
これにより、想定される変更内容や移行スケジュールが明らかになりつつあります。改訂仕様書および規格の初期ドラフトに基づくと、いずれの規格においても変更はそれほど大規模ではないと考えられます。
ISO 14001改訂ドラフト
ISO 14001の改訂ドラフトは2025年2月3日に公開されました。今回の改訂における主要な方針のひとつは、新たな要求事項を導入せず、既存の要求事項の理解を深めるための改善に変更を限定することです。
主な変更点は以下のとおりです:
- マネジメントシステム規格に関するISOの最新「ハーモナイズド・ストラクチャー(HS)」の文書および要求事項への適合。
- 現行の要求事項を言い換えたり注記を追加したりして、既存要求事項の理解を促進するための文章修正。
- 付属書Aにおける一部重要トピックの解説を強化し、要求事項の明確化を図ること。
総じて言えば、今回明らかになった改訂は、企業にとって比較的軽微な変更にとどまる見込みです。
ISO 9001改訂ドラフト
ISO 9001の改訂に関する詳細な変更点については、DIS(Draft International Standard)版が公開された時点で改めてお知らせします。公開は2025年中頃が見込まれています。
改訂規格の発行スケジュール
- ISO 9001:2026
- ドラフト(DIS)版公開予定:2025年中頃
- 改訂規格の正式発行予定:2026年9月
- ISO 14001:2026
- 改訂ドラフト版公開:2025年2月3日
- 改訂規格の正式発行予定:2026年1月
移行ルールと期間
移行期間は通常最大で3年ですが、改訂内容が限定的な場合は短くなる可能性があります。国際認定フォーラム(IAF)は、新規格への認証移行に関する必須文書を策定する予定です。
移行準備について
現時点では、ISO 9001およびISO 14001の更新ドラフトの公開を待っている状況です。そのため、具体的な移行準備はドラフトの進捗を確認してから行うことを推奨します。
その後、できるだけ早く移行準備を開始し、必要な変更をマネジメントシステムに組み込む計画を立てることが望ましいです。
移行に向けた推奨ステップ
- 新規格の内容と要求事項を把握する。特に改訂による変更点に注目する。
- 組織内の担当者に対してトレーニングを実施し、要求事項および重要な変更点を理解を促す。
- 新規格に適合するためのギャップを特定し、実施計画を策定する。
- 必要な対応を実施し、マネジメントシステムを新規格の要求事項に適合させる。
サポート内容
ISO 9001およびISO 14001の新バージョンへの移行準備を開始された際には、DNVが皆さまの移行プロセスをサポートいたします。
具体的には、以下の支援をご提供します:
- 研修:改訂内容を学び、主要な変更点や移行プロセスの概要を把握する。
- 自己評価ツールおよびギャップ分析:オンライン自己評価ツールやオンサイト/オフサイトでのギャップ分析を通じて、マネジメントシステムが新規格の要求事項にどの程度適合しているかを測定。
- 移行監査:新規格に沿った認証移行をサポートする監査。
DNVは、各ステップにおいて総合的にサポートいたします。