カスタム・テーラー監査について

カスタム・テーラー監査とは、「組織が取引先(例えば製品の供給業者など)に対して、組織の要求事項に基づいて外部機関であるDNVが行う監査」のことです。

1. 監査の種類について

監査の種類はそれを「誰が誰を監査するのか」に着目して分類すると、第一者、第二者、第三者の3つに分類することができます。(※1) それぞれ、以下のように定義されます。

第一者監査

ある組織が、自分の組織のマネジメントシステムもしくはパフォーマンスを監査する場合のことを指します。いわゆる、内部監査です。

第二者監査

ある組織が、利害関係のある他の組織に対して行う監査で、この場合監査をする組織は監査を委任する権限を法律上または取引上で持っている者です。新規取引上、継続取引上の必要性から監査を必要とする組織自身が行うか、または、外部の機関に委任して行います。

第三者監査

多くの場合、認定された独立機関、いわゆる審査登録機関によって行われます。例えばISOであれば、国際規格に基づき組織のマネジメントシステムが有効であることを保証し、複数の関係者にその信頼性を与えることを目的としています。



では、この中の第二者監査とは、具体的にはどういうものを指すのでしょうか。 第二者監査は、一般的に被監査側の管理状況の確認、改善指導、供給者等の選定などに利用されます。 典型的な事例としては、「サプライヤーに対して、顧客要求事項が守られていることを確認する」取り組みが挙げられます。自社で行う場合、組織は社内から製造・サービスプロセス及び各種規定・基準に精通したメンバーを厳選し、監査チームを結成してサプライヤーに送り込みます。 また、独自の基準がなくても、既存の業界内基準を用いて第二者監査を行っている企業も多数あります。(もちろんISO等の国際規格も第二者監査の基準と成り得ますが、ほとんどの場合は第三者監査として認証取得を目的としているのが現状です)

(F1-a)監査における種別図
監査の種類の図

『ISO19011:品質及び/又は環境マネジメントシステム監査のための指針』の3.1項によれば、これらは以下のように定義されています。 「内部監査は、第一者監査と呼ばれることもあり、マネジメントレビュー及びその他の内部目的のために、その組織自体又は代理人によって行われ、その組織の適合を自己宣言するための基礎としてもよい。多くの場合、特に中小規模の組織の場合は、独立性は、監査の対象となる活動に関する責任を負っていないことで実証することができる。 外部監査には、一般的に第二者監査及び第三者監査と呼ばれるものが含まれる。第二者監査は、顧客など、その組織の利害関係者又はその代理人によって行われる。第三者監査は、 ISO9001又はISO14001の要求事項への適合性を審査登録又は認証する機関のような、外部の独立した監査機関によって行われる」





2.カスタム・テーラー監査の意義について

多くの場合、カスタム・テーラー監査はISO認証監査等の第三者監査の延長線上にあると考えられます。サプライヤーのISO認証をもって、その仕事の仕組みや法令遵守についてのGeneralな部分を押さえた上で、さらに業界や顧客特有の要求事項について詳細な確認をすることで、日々高まる社会からの要請に応え、CSR(企業の社会的責任)を強化するわけです。 これを図で表すと、図F1-bのようになります。

(F1-b)システム監査とパフォーマンス監査
システム監査とパフォーマンス監査

ISOがマネジメントシステム、すなわち仕事の仕組みに焦点を当てるのに対して、顧客要求事項ベースのカスタム・テーラー監査では基準事項・数値に対する出来・不出来を網羅的かつ断定的に評価します。一般的に、前者はシステム監査、後者はパフォーマンス監査と呼ばれます。近年、パフォーマンス監査が重要視されている理由として、企業を取り巻く社会状況に関する、以下のような傾向が挙げられます。

1)「継続的改善」では間に合わない。(社会は“今現在できていること”を重要視するようになった)

2)「法的要求事項」を満たしているだけでは十分ではない。(不祥事を起こした際に、最低限の法的要求事項が守られていたとしても、社会は許容してくれない)





3.カスタム・テイラー監査 ― 国際的動向

従来、大手企業において、このような監査は社内の教育・監査部門によって行われる傾向にありました。しかし近年、欧米企業を中心に、サプライヤー監査は徐々に外部に委託される傾向にあります。一因として、世界的大不況の影響により、内部でリソースを確保することが難しくなったことも挙げられるでしょう。

外部委託のメリット
カスタム・テイラー監査を行うメリットとして、1.コストメリット 2.プロフェッショナルな監査手法 が挙げられます。 コストメリットについては、社内で必要なリソースの削減および社内管理の簡略化が大きな利点です。また、プロの監査員を用いることで、監査チームや組織の経験不足から来る不手際や不具合が解消されることも大事なポイントの一つでしょう。 従って、外部機関を用いることで、迅速かつ安価に監査を実施できると言うことができます。

カスタム・テイラー監査を行う際の注意点
一方で、カスタム・テイラー監査をする上で注意すべき点もあります。すなわち、「外部の人間が内部の要求事項を十分に把握できるのか」という点です。この点に置いて、DNVは、安易に「監査代行が可能」という姿勢をとることを避けています。お客様独自の要求事項は、社内にて何十年かけて培われてきたものであり、一朝一夕に体得できるものではないからです。 しかし、以下の項目に注力することにより、そのハードルを乗り越えることができると考えています。

1)専門性を持った監査員の選抜 業界及び組織特有の要求事項を理解するために、その業界における実務経験は、ときに不可欠なものとなります。DNVでは、お客様との話し合いにより監査員候補を選抜し、CV(履歴書)提出および(必要に応じて)お客様による面談を通して、業務を担当するのに最適な監査員を決定していきます。

2)入念な監査員教育 業界経験があっても、お客様固有の基準に対して、すぐに質の高い監査を提供することはできません。監査員による要求事項の入念な読み込みは勿論のこと、必要に応じてお客様による監査員教育(可能であれば現場見学も)を通じて、初めて「お客様用に十分にカスタマイズされた監査員」が出来上がります。プロジェクト立ち上がり期間における、この人的・時間的投資は、後の監査の質を大きく左右することが、過去の経験から明らかになっています。





4. DNVのカスタム・テイラー監査サービス強み

DNVがこのカスタム・テイラー監査において秀でているのは、既に豊富な実績を積み重ねていることから来る経験によるものです。 ドイツでの自動車会社のサプライヤー監査やアメリカ大手飲料メーカーの内部基準監査など、その経験は他機関を圧倒しています。またDNVのオフィスが世界主要地区に存在していることから、国を跨いで各地域にあるオフィスや工場があるようなグローバル企業のニーズにも対応することが可能です。

またDNV独自の分析ツールを使用することで、分析結果を概覧ができ、またヒストグラム化する機能を用いて、データを定量的に指し示し詳細な結果を導き出すデータマイニングが可能です。

分析ツール画面イメージ
カスタムテイラーの分析図1



分析結果イメージ
カスタムテイラーの分析図2