次世代コンテナ船-"Quantum"-を発表

DNVではLNGを燃料とする次世代コンテナ船のコンセプト開発作業を完了しました。"Quantum" と命名されたこのコンセプト船は、すでに実船に採用されている既存技術の組み合わせにより、3~5年先の新造船にも適用可能です。

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Illustration of the new container ship concenpt Quantum - Artist's impression of the 6,210 TEU Quantum.

AXSアルファライナー社の協力のもと詳細なマーケットリサーチを行い、コスト的にも十分実現可能な次世代コンテナ船となっています。“Quantum”は既存の燃費向上技術とコンテナ積載量の増加を両立することにより、約21%のCO2削減を可能にしました。また、LNG燃料の採用により、NOxを90%、SOxを100%削減することができ、ECAやEU域内で適用される環境規制をクリアしています。

Market needs
“Quantum”の開発にあたっては、まず、マーケットニーズに基づいた最適な輸送システムの研究調査を行いました。AXSアルファライナー社の調査により、南米、中東やインドなどの新興国への物資輸送を担う5000-7500TEU型が、今後コンテナ船マーケットの主力船型となると予想されます。これにより、”Quantum”では、ヨーロッパと南米東岸を、”Baby post-Panamax”サイズの6200TEU型を採用しました。サービススピードについては、CO2削減と運航収支の両立を図るため21ノットとしていますが、技術的には数ノットの増速や10ノット以下での減速航行が可能な、設計上のフレキシビリティを持っています。
さらに、低燃費による運航コスト削減と多様な運航形態に対応できる船型の採用により、LNG燃料への対応に関わる初期費用の早期回収が可能です。

Hull design
船型開発ではCFDツールを駆使し、カタマランやトリマランも検討したうえで、型幅42.5mのモノハル船型を採用しました。一方で、上甲板レベルはWidedecK™コンセプトにより49m幅とし、同型船に比べコンテナ積載量を700個増やしています。Wing tank部は幅1mのボイドスペースとすることで、船穀重量の軽減を図り、ウイングバラストタンクを廃止し、さらに、サイドロンジの代わりにストリンガーを設けました。これにより、タンク内の腐食やサイドロンジの疲労強度上の問題がなくなり、就航後の検査やメンテナンスにかかる費用の軽減が可能です。また、複合材料を船首部Wind deflector/Wave breakerに採用することで、1100トンの軽量化を実現しました。

Machinery and systems
これからますます厳しくなる環境規制への対応と、運航上の様々なニーズに対応するため、”Quantum”ではDFDEプラントとポッド推進器を採用しました。ECA航行中はLNGを使用し、その他の外洋上ではMDOを使用することで蒸気プラントを廃止しています。ECA航行中はLNG専焼モードとなるため、LNGタンクを含め推進プラントの二重化により信頼性を向上させました。2基のポッド推進器による操縦性の向上は運航費用の削減が期待できることに加え、浅吃水でも効率的な運航が可能であることから、様々な積み付け条件に対応することができます。

Operation
MARPOL条約によるNOxやSOxに対する規制が厳格化され、SCRなどの設置や低硫黄燃料に対応したシステムへの切り替えも検討する必要があります。”Quantum”はLNG燃料の採用によりこれらの課題をすでにクリアしました。また、船体強度や復元性を確保しつつ、様々な積み付け条件に対応可能な船体は、バラスト水の使用頻度を大幅に削減しています。これらにより、DNVの環境格付けシステムDNV Triple-E ™の最高格付けとなる、Level 1の技術要件を満足しています。荷役面では”Boxes in boxes”コンセプトの採用により荷役時間の短縮を図りました。

Quantumの詳細については、"DNV Container Ship Update No.1, April 2010" (ダウンロード)をご覧ください。

QUANTUMの主要目

Main dimensions
Length overall (m): L = 272.3
Beam (at waterline) (m): Bwl = 42.5
Beam (at deck level) (m): Bd = 49.0
Design draught (m): T = 12.0
Depth moulded (m): D = 26.4

Capacity
Total container capacity (TEU): 6,210
Container capacity on deck: 3,336
Container capacity in hold: 2,874
Reefer capacity (plugs): 1,200

Engine
Dual fuel engines: L6 + 3xL9
Installed power (MW): 33
Propulsion power (MW): 23

Fuel capacity
LNG (m3): 5,000
MDO (m3): 3,000

日付: 17 May 2010

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